めきぶら亭

「毎日楽しく生きる」をモットーに日々を過ごす、まっつんのチラシの裏日記的なブログです。

西表島旅行記Part5 ~ピナイサーラの滝を目指して~

午前5:00、リュウキュウアカショウビンの鳴き声で起床。

 

この日はいよいよピナイサーラの滝の頂上へ向かう。

過去の記事でも度々名前が登場しているこの滝は沖縄県で最大落差を誇る滝であり、 頂上へはカヌーやトレッキングを行って目指す事から、西表島のアクティビティの中でも人気があるツアーだという。

 

今回の旅行の大きな目的は、見た事のない野生動物をより沢山見ること。つまり貴重な体験と生き物探しを同時に行えるであろうこのツアーは正にうってつけであるため、企画段階から楽しみにしていた個人的一大イベントなのである。

 

 

f:id:mattsunkun:20161226234129j:plain

なお出発は午前9:00。多くのツアーは10:00出発のため、その時間帯にブッキングすると夏季は川が渋滞するらしい。そんな表現聞いた事ないww

今回宿泊した民宿が企画しているツアー故に、この辺り融通が利いてよかったと心底思う。写真はその民宿で育てられているハイビスカス。黄色いのも綺麗でいいね。

 

 

f:id:mattsunkun:20161226234543j:plain

中通り過ぎたマンゴー農園。受粉にはハエを利用するため、ビニールハウスの中には多数のハエが飛び交っているらしい。事実を知ると食べられなくなる人もいるんじゃなかろうか。でも私は書きます。

 

 

f:id:mattsunkun:20161226234837j:plain

f:id:mattsunkun:20161226234937j:plain

 ここから先は車を降りて、川まで歩く。アダンやサガリバナ、オキナワアナジャコの巣など目に入る動植物も西表島ならではと言った感じで見ていて飽きない。歩いてるだけで楽しい。

 

ここに沢山生えていたのがオキナワキョウチクトウという木だが、枝を串にした串焼きを食った人が死ぬほどの強毒を持っている。毒の主成分はケルベリンという地獄の番犬みたいな名前のアルカロイド配糖体で、同じ毒性を持つ海外の近縁種がsuicide tree(自殺の木)等と呼ばれる筋金入りの有毒植物。以前取り上げたツムギハゼといい、下手にサバイバルの真似事なんかすると死にかねないから自然って怖い。

 

 

f:id:mattsunkun:20161226235122j:plain

暫く歩くとカヌーの停留所に到着。ここからはこれで川を遡る。

 

 

f:id:mattsunkun:20161226235230j:plain

f:id:mattsunkun:20161226235331j:plain

俺たちの冒険はこれからだ!!!まっつん先生の次回作にご期待ください。

 

マングローブやアダンの生い茂る水路から川に出る。…のだが、初めてのカヌーに苦戦し、思うように進めない。

2枚目の写真の水際に生えている植物がアダン。実がヤシガニの好物であることで有名な植物だが、葉はまるでノコギリの如く棘だらけ。うっかりカヌーごと突っ込むとかなり痛いので要注意。経験者は語る。

 

 

f:id:mattsunkun:20161226235523j:plain

本流は太くてそんな心配も無いんですけどね。ここまで来ると操船にも慣れ、日陰を探して漕ぎ進める余裕も出てくる。

因みにこの川は海水の交じる汽水域らしく、ウミヘビやエイ、果てにはオオメジロザメまでもが遡って来ることがあるそうだ。なにそれこわい。暑いし泳ぎたいと思っていたけど一瞬で欲が冷めたwwサメだけに

 

 

f:id:mattsunkun:20161226235638j:plain

カヌーの道中よく見かけたナンヨウボラの群れ。他にもナンヨウチヌやゴマフエダイなどが見付かったが、この旅行で特に見たかった魚・テッポウウオは残念ながら見付からず。水鉄砲を吐いて樹上の昆虫を撃ち落とすという性質を考慮して、敢えてマングローブの傍を進んだりもしたんだけど。

 

 

f:id:mattsunkun:20161226235820j:plain

遠方にピナイサーラの滝が見えてきた!覚悟はしてたけど、こうしていざ実際に見ると高いな…

 

なんて考えつつ暫く漕ぎ進めていたが、見るもの全てに興味津々なので意外とアッサリ上陸ポイントへ到着。いよいよ徒歩で頂上を目指して行く。

 

 

f:id:mattsunkun:20161230203000j:plain

上陸して間もなく目に入ったサキシマスオウノキ。「板根」と呼ばれる地上に突き出た根が特徴で、昔はこれを切り出して船のオールに利用していたらしい。この板根の高さで樹齢が分かるらしく、この木はなんと樹齢約150年だとか。その風格はさながら西表島の歴史の生き証人だ。

 

 

 

…と、そこから進んですぐに何かが歩いているのが見付かる。

 

 

 

 

f:id:mattsunkun:20161230203651j:plain

ヤエヤマセマルハコガメ!!!

ここ西表島を代表する希少生物の一つで、天然記念物に指定されている。また頭や手足を引っ込めて蓋をし、甲羅の隙間を完全に閉じる事が可能な亀の一種であり、そんな防御特化の進化を遂げたからか、成体の天敵はロードキルする車くらいだとか。本旅行初の天然記念物との遭遇により大興奮でシャッター切ってましたが、後ろ向きとは言えハッキリとした写真が撮れてよかったです。

 

 

f:id:mattsunkun:20161230204742j:plain

尻尾が綺麗なイシガキトカゲ。ニホントカゲに見た目がよく似ているが、沖縄の離島のみに生息する準絶滅危惧種。本土のトカゲと同様すばしっこいのでブレる。

 

 

f:id:mattsunkun:20161230204842j:plain

因みに頂上へはこのようなジャングルを上へ上へと目指して歩く。その光景はさながらジュラシックワールド。昔は切り倒した材木を運ぶための道だったそうだが、こんな険しい道のりを木材担ぎながら降りていた当時の人達は凄いなあと感心してしまう。

 

 

f:id:mattsunkun:20161230205404j:plain

アカギは外見こそ普通の木だが、樹皮を剥がすと本来の赤色が現れ、樹液も血のような赤色だという。名前といい特徴といい鷲頭麻雀しか想像できない。

 

 

 

そうして休憩や発見をしつつ長い道のりを進んで行くと、遂に頂上へ。

これが西表島屈指と言われる絶景である。折角なので大きめの画像でご覧ください。

 

 

 

 

 

f:id:mattsunkun:20161230211247j:plain

素ン晴らしいね!!!

眼前に生い茂るジャングル真下に落ちて行く滝の水、そして遠くには昨日上陸したバラス島までもがハッキリと見える。運動不足と喫煙のせいでヘトヘトになりながら歩いたが、目の前に広がる絶景で全て吹き飛んでしまった。意識高い系っぽく言うとマイナスイオン大放出な感じ。

(多分)綺麗に撮れてるんだけど、やっぱりこの感動は実際に登らないと到底伝えられないと思うので、西表島にお越しの際は是非登頂目指してみて下さい。

 

 

f:id:mattsunkun:20161230211535j:plain

我ながら全てを台無しにするガッツポーズですね。

 

 

f:id:mattsunkun:20161230212102j:plain

沢にはこんなのも。

コンジンテナガエビは国内のテナガエビ最大種。その全長は鋏脚を含めると30cmに迫ろうかという巨大さで、本土のものと比べても頭一つ抜けている。そこそこの数が棲息しているようで、周辺の岩陰から鋏や頭を覗かせている。

 

 

f:id:mattsunkun:20161230211924j:plain

そうこうしている間にガイドが準備してくれた昼食。

麩の炒め物ことフーチャンプルーと、おにぎり2つ。満腹にはならないけど、この後も歩くことを考えると丁度いい量。あまりにも腹が減っていたので一番乗りで完食し、沢で手を洗いに行く。すると帰り道に何かが目の前に飛び出した。

 

 

f:id:mattsunkun:20161230212259j:plain

サキシマキノボリトカゲだーっ!!!

基亜種のキノボリトカゲやその仲間を含めて、外来種のスインホーキノボリトカゲを除けば唯一日本に生息するアガマ科のトカゲ。

撮影しててもなかなか逃げないのに驚いたけど、捕まえようとすると流石に逃げる。しかし尻尾を切れないトカゲなので捕獲は容易。咬まれたけど力はそれほど強くない。

 

 

f:id:mattsunkun:20161230212739j:plain

ひと通り愛でた後はキノボリトカゲらしく木に帰してやる。ありがとなー

ここからは滝壺を目指し、下へ下へと降りて行く。

 

 

f:id:mattsunkun:20161230213243j:plain

ツルアダンヤドリギ のように他の木から養分を吸い取り成長する、いかにもジャングルな見た目の植物。

 

 

f:id:mattsunkun:20161230213555j:plain

トトロが傘に使えそうなほど巨大化したクワズイモ。100均の観葉植物のイメージが強いため尚更驚く。現地では汁をムカデ咬傷の民間薬として使用されるらしいが、有り得ない程沁みて痛むとか。旅行中に咬まれても黙っておこう。

 

 

 

そして道中、とある生き物に遭遇する。

緑色の細長いシルエット。一瞬蛇かと思ったが違う。脚がある。まさかコイツは・・・・・!

 

 

 

f:id:mattsunkun:20161230230501j:plain

サキシマカナヘビ!!!※画像はイメージです

下手な外国産のトカゲより鮮やかで美しい緑色と、樹上生活に特化したために長く発達した尻尾が特徴のカナヘビの仲間。同時に日本固有種だが、ここ西表島を除けば石垣島と黒島にしか棲息していない絶滅危惧種でもある。

 

 

 正直、旅行の前準備ではへー、サキシマカナヘビっていうレアなトカゲがいるんだ。くらい思っていなかった。しかし目の前に現れたそれはあまりに美しく、完全に心を奪われてしまった。これは絶対に写真に撮らないと…!!

 

 

f:id:mattsunkun:20161230213735j:plain

orz

まさかの逃走。見とれている時間が無ければ間に合ったかもしれないが、仕方ないね。

そんな感じで気力の数割が削られながらも再び歩き始め、ついに滝壺に到着。

 

 

f:id:mattsunkun:20161230213919j:plain

f:id:mattsunkun:20161230214129j:plain

頂上からの絶景も良いけど、これもまた美しい。

希望者は滝壺で泳ぐ事が出来るので、迷わず水中へ。勿論ここでも生き物を見付けるためだ。しかもガイド曰くオオウナギもいるというではないか。

 

 

f:id:mattsunkun:20161230214526j:plain

滝壺にはハゼ類やテナガエビが棲息している。水の透明度は高いが、底に沈んだ砂泥が舞うと一気に視界が奪われてしまう。しかし水が冷たくて気持ちいい!

 

 

f:id:mattsunkun:20161230214630j:plain

コナカハグロトンボ。ミナミカワトンボ属の中では唯一日本に棲息するトンボで、大きさはイトトンボよりやや大きい程度。縄張り意識が強く、飛び立ってもすぐに戻って来る為撮影は容易。

 

 

f:id:mattsunkun:20161230214807j:plain

出た!!オオウナギ!!

頭を岩陰に突っ込んでいたので全体像は見られなかったが、1mは悠に超えているんじゃないか?間違いなくここの食物連鎖の頂点だろう。

 

そして水中で出会うと威圧感が半端じゃない。巨大魚と言うとピラルクーなんかは神々しさもあるんだけど、コイツやパーカーホやコロソマみたいな、ボーっとした顔で且つ巨大な魚が泳いだり鎮座している所って妙な怖さがあるよね。俺だけ?

 

 

 

f:id:mattsunkun:20161230215430j:plain

f:id:mattsunkun:20161230215559j:plain

このままカヌーを停めた地点まで降り、再びカヌーで帰る。

帰りは潮が引いており、見られる生き物や景色がまた違うから飽きない。

 

 

f:id:mattsunkun:20161230215216j:plain

オキナワハクセンシオマネキ は相変わらず沢山いた。撮ろうと近付いて何度か座礁したww

再びテッポウウオを探してみるも、あえなく不発。やっぱりマングローブフィッシングのツアーでも参加しないと厳しいか… 

 

 

 

 

そんなこんなで帰還、ツアー終了。

結論から言うと控えめに言って大大大成功。

と言うか、多種多様な動植物、自然が織りなす絶景、初めて体験するアクティビティ…これだけの要素が揃って満足出来ない訳が無い。社会人になってから自然が恋しかったが、それまでの分を全て取り戻せた気さえしてきた。

 

 

 

だがまだだ。蛇は前日のウミヘビしか見ていないじゃないか。

ここからの計画について民宿でひと休みしつつ作戦会議。あ、ひとりで。